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コラム

比較級思考116

外国為替相場が固定化されている時は、為替の換算という問題は殆ど必要ありません。そのため、企業会計原則の取得原価主義、発生主義で良いのですが、これが変動相場制になったり、特定の通貨(特にイギリスのポンド)の下落が生じるような場合には、輸出企業にとっては大問題となります。この時、そのような現象は一時的なものにすぎないと考えれば、場当たり的な対応として、個別問題に関する意見書としての対応がスタートとなります。
?(1968.5.2) 外国通貨の平価切り下げに伴う会計処理に関する意見
?(1971.9.21) 外国為替相場の変動幅制限停止に伴う外貨建て資産等の会計処理に関する意見
?(1971.12.24) 基準外国為替相場の変更に伴う外貨建資産等の会計処理に関する意見
?(1972.7.7) 現行通貨体制のもとにおける外貨建資産等の会計処理に関する意見
?(1973.3.29) 外国為替相場の変動幅制限停止中における外貨建資産等の会計処理に関する意見
そして、為替相場の変動が一過性の問題ではなく、日常的に生じるものという事態が生じてくると、これらの個別問題への対応では、不十分となります。こうして、1979年6月26日に外貨建取引会計基準が出来て、今日へと続いて行くのです。
貿易問題が経済の国際化として、外国為替問題が企業経営に重要な問題を提起して、それが会計問題へと進んでいったものとみるべきでしょう。

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