資本利益率と付加価値は、企業の労働問題とりわけ人件費を考えるとき重要です。又、人件費を考える時は、円ベースだけでなくドルベースで考えることも大切です。
日本人の給料は、ここ数年殆ど上がっていません。しかし、付加価値である労働分配率は上昇しています。これは、企業の低い生産性が人件費を圧迫材料と考えているからです。又、これは円ベースで考えた時のことです。更にかつて日本人の給料が世界で最も高いといわれた時代がありましたが、それはドルベースに換算したからです。今でもドルベースに換算すると、最近の急激な円高で円ベースでは変わらない人件費もドルベースで見ると大幅な上昇となっています。そして、この高い人件費が企業の国際競争力を弱め、結果として企業の海外移転を促進しています。人件費は、円ベースだけで見ても正しい感覚は身につきません。
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