適正な役員報酬の決め方は、中々難しいものがあります。ここでは、上場会社(公開会社)について、考えてみたいと思います。会社法や裁判例の基本的な考え方は、報酬の決定は、職務執行の対価なので、執行の一部と考えます。そうすると、経営判断の一環として、誰にどの位の報酬を払おうと原則として経営者の自由な判断になります。しかし、報酬が多くなればなる程、利益が少なくなり、株主への分配対象も減ります。しかも、自分の報酬を自分で決めるとなると好き勝手に行い「お手盛り」の弊害が生じます。そのため、報酬の決定は、業務執行ではあるが、株主総会の決定に従う(会社法)という制約を探しています。それでは、その制約は個人別制約なのか、総額の制約なのかということになりますが、総額の制約さえ確保しておけば、あとは、各取締役の仕事の状況を見て、取締役会が個別的に決めておけばよいという考えが裁判例から伺えます。そのため、会社の内規で、平取締役はいくら、常務はいくら、専務、副社長、社長、会長、非常勤取締役といった役職ごとの細かい定めがあります。
従業員の最高給料を最下限として、決定されているようです。これに業務連動を加味(特にストックオプション)しています。今回は、1億円以上の報酬開示にばかり目が向き、誰がいくらもらっているかという他人ののぞき見ばかりに集中していますが、むしろそれらの金額の算定根拠の方が実は重要なのです。これが、中小企業の役員報酬にとっても参考となります。次回は、これについて考えていきます。
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